裏道を行け ディストピア世界をHACKする(著者:橘玲)

オススメ本
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こんにちは、momonoineneです。

今回は「裏道を行け ディストピア世界をHACKする」(著者:橘玲)の内容と感想についてです。

この本は現実世界の攻略の仕方が書かれています。

ちょっと人生に疲れた方、面白い人生の攻略法を知りたい方、にオススメの本です。

かなり過激な内容ですので、ちょっとびっくりするかもしれません。

それでは、どうぞごらんください。

↑紙書籍ですが、電子版もあります。

私が読んで特におもしろかった部分を中心に、内容を紹介していきます。

現実世界を攻略しよう、というのが本書の目的です。

「裏道を行け」というタイトルは、常識やルールの裏をかく、という「HACK(ハック)」というところから来ています。

この本のまえがきに、世界で大流行したドラマ「イカゲーム」の話が出てきます。

このイカゲーム、現実世界ではどうしようもなくなって、いわゆる「詰み」の状態になっている人ばかり参加しています。

それでも「イカゲーム」の方がほんのわずかだけれど攻略の可能性(希望)が残されている…….そうで、なんとも言えない気持ちになりました。

この本によると、普通に生きているだけでは、大勢いる人々の一人になってしまって、転落人生を歩む可能性が高いそうです。

年々貧富の差が拡大しているので、そうなってしまうのは仕方がない事ですが、だからさまざまなハックをしてそこから抜け出しましょうという事のようです。

この本では、天才的な頭脳を持ったエドワード・ソープがカジノのブラックジャック必勝法を生み出した話が紹介されていました。

その後、エドワード・ソープは大勝ちし過ぎてカジノを出禁になってしまいます。

そして、次に目を付けた金融市場で、ヘッジファンドを設立し、大金を手に入れたそうです。

他にも金融市場で大金を手にする人はたくさんいまして、さながら現代のミダス王(ふれるもの全てが黄金になる)のようだと書かれていました。

そんなエドワード・ソープは、個人投資家が金融市場をハックするのは不可能であるとして、「インデックスファンドを買いなさい(NISAやiDeCoのような非課税で)」とアドバイスしているそうです。

さすがに普通の個人投資家では、金融市場をハックできないみたいですね。

ここでは、「買い物依存症」などの依存症へ誰でもなる可能性があると警告されています。

なかでも、印象的だったのが「マシンギャンブル依存症」についてでした。

ギャンブル依存症って、お金が欲しくてギャンブルにのめり込んでしまうイメージだったんですが、ラスベガスのカジノマシン依存の人は、プレイする事自体に依存しているそうです。

なんでもラスベガスのカジノは空間・音楽・嗅覚もマシンの演出も、人間工学に基づいて設計されており、脳でドーパンが繰り返し放出され慣れてくると、さらなる強い刺激を求めるそうです。

脳の報酬系をハックしつつも、それを治療する向精神薬の働きもするらしく、どこにも出口がないような状態です。

これはギャンブルだけではなく、SNS・買い物などの他の依存もそうで、さながら薬物中毒のように、なかなか抜け出せないものらしいです。

かつてアメリカであった、哲学・禅思想など、心理的に自分を向上させる方法について書かれていました。

さまざまなセミナー・ワークショップ・心理療法がアメリカの「エスリン」で行われていたそうです。

有名な「マズローの欲求」も60年代のエスリン発祥らしく、その後「自己啓発」を生み出したそうです。

日本へは1980年代に「自己啓発セミナー」として流行して過剰な勧誘が問題にもなったそうです。

他にも、現在アメリカの医療現場では脳の特定部位に電気刺激をおこなう事で、パーキンソン病・うつ病などの治療をしているそうです。

まだ研究中のような段階なので、副作用などはっきりしていないのが気になりますが、病気に悩む人にとっては希望になりますね。

人間もさまざまな方法で、ハックされています。

アジアでは「親世代より豊かになれない」という絶望感があるそうです。

中国では「寝そべり族」、日本では「草食系」、韓国では「ヘル(地獄)朝鮮」などとよばれて何もしないことで抵抗しているようです。

しかし、アメリカではより現実的な「ミニマリズム」と「FIRE」という人生戦略が広まっています。

ミニマリズムはシンプルな生活の意味で、この本では佐々木典士(ふみお)さんの話が載ってました。

「物を維持・管理するため」に時間とエネルギーを使い果たしているように感じて、物を手放して人生が好転したそうです。

「FIRE(ファイアー)」は経済的に自立して早期退職して自分の人生を生きることですが、質素な暮らしをして投資で金融資産を増やす事が必須になります。

アメリカでは100万ドル(日本で1億1000万円くらい)貯めるのが目標だそうですが、日本でも金額は違ってもFIREは広まっているそうです。

経済的に自由になれば、嫌な人間関係から逃れられるし、好きな仕事だけして生きていけます。

それから、現実をゲームの様に修復すればいいという試みもあるそうで、「代替現実ゲーム(ARG)」で世界をハックするのも紹介されていました。

また、巨額の富を手にした大富豪が、お金を使って「より良い世界」「より良い未来」に貢献しようという動きもあります。

もはやお金は単なるネット上のデータに過ぎず、アメリカの若者も消費に対する興味を失い、SNSの評判が大事なんだそうです。

現代の大富豪は、ルームシェアのアパート暮らしで、野菜ばかりを食べて慈善団体に寄付をしているそうです。

私は普通の人生を送っているので、この本で言うところの「転落人生」なのでしょうが、意外と楽しく生きています。

なので、あまりこの本は私の役にはたちそうにありませんでした。

ただ、「世の中こういう方法があるのね〜」という感じで、とても楽しく読みました。

内容には書かなかったのですが、「恋愛をハックする」と言う部分がありまして、読んでいて途中までは嫌な気分でした。

最後も真実だけどかなり残酷な内容だったので、これから読む方は気をつけて読んでほしいです。

「金融市場をハックする」では、数学が得意な天才たちが織りなす不思議なサクセスストーリーでした。

「ギャンブル依存症」では、意外なギャンブル依存症の実態を知りました。

特にスロットやポーカーマシンは「電子版モルヒネ」「ギャンブル界のクラック・コカイン」と呼ばれているそうなので、カジノには近寄らないようにします。

FIREによって自由な人生を手に入れるのに憧れますが、私の年齢的にちょっと遅いかなというのと、結局働くのが好きなので定年までずっと働きたいですね。

それから、今の大富豪の生活が興味深かったです。

豪邸とか自家用ジェットとかブランド物の服は持ってないんですね〜いつまでも平成の価値観を引きずっていました。

これってミニマリストの生活&野菜中心の食生活をしていたら、現代の大富豪の生活を送れるという事ですよね、なんだかちょっと夢があります。

では、「」の内容まとめです。

  • 普通に生きてるだけは転落するので、ハックで現実世界を攻略しよう。
  • 「ミニマリスト」「FIRE」などの人生戦略が流行している。
  • 依存症(特にギャンブル・SNS)に注意する。

過激な内容ですが、どうだったでしょうか?

この本に書かれている内容を、詳しく知りたい方はぜひ本書を読んでみて下さいね、では。

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